-お知らせ-

2020年度のフィラリア症の予防について

フィラリア症は、蚊の吸血によって感染する、命に関わる感染症です。

5月〜11月の期間、月に1回お薬を飲むことで予防が可能ですが、初回投与前には感染していないことを確認するための血液検査が必要です。

 

(感染している状態で予防薬を飲むと状態が悪くなることがあります。)

 

そのため、フィラリア予防をされるお家の方には、例年この時期にご来院いただき、血液検査を行い、予防薬をお渡ししておりました。

 

しかし、限られた期間内に多くの方の来院が集中するため、院内が非常に混雑しご迷惑をおかけしておりました。

新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を受け、当院では先日より予防など緊急性のない来院は自粛いただくようにお願いをしておりました。

 

当初は新型コロナウイルス感染の終息を待ち、フィラリア予防のお知らせをお送りする予定でしたが、残念ながら現在のところ、その兆しは見えてきません。

そこで、今年に限り院内での3密を防ぐため、5/7(木)から1ヶ月程度の期間 14:00〜16:00の間も開院(日・祝除く)し、フィラリア予防を行います。(※昼のフィラリア診療枠は6/6で終了いたしました。)

 

この場合も、通常の診察と同様に予約後のご来院にご協力をお願いいたします。ただし獣医師の指定はできません。ご了承ください。

上記のフィラリア予防特別枠のご予約には、予約サイトにて ”なし(ワクチン・フィラリアのみ)” の項目を選択後、日時のご指定をお願いいたします。

(フィラリア予防以外でのご来院は通常の診察時間にお願いいたします。)

また、下記の2条件を満たす場合に限り、血液検査なしで予防薬をお渡しすることにいたしました。

・昨年5月〜11月末または6月〜12月初旬まできちんと予防薬を内服いただいたこと

・初回投与後、状態の急変に備えて数時間犬の様子をみていただけること

予防薬のお渡しには体重が必要ですので、ご自宅で測って来ていただけると助かります。

以上、ご家族や当院スタッフを新型コロナウイルス感染症から守るため、ご協力をお願いいたします。

※詳しいフィラリア症についてのお話は、下記の”フィラリア症とは”をお読みください。

フィラリア症とは

内容
1.フィラリア症とは…
2.感染経路
3.症状
4.治療
5.予防

1.フィラリア症とは…

蚊が媒介となって動物から動物へと伝染する、素麺のような細長い形をした寄生虫による病気です。


フィラリア症は犬が最もかかりやすいことから犬糸状虫症とも呼ばれますが、猫など他の動物にも感染することがあります。

蚊からうつったフィラリアの幼虫は最終的に肺動脈という心臓と肺をつなぐ大きな血管に寄生するので、フィラリア症に

 

かかると肺や心臓がダメージを受けます。


そのためフィラリア症の犬では咳や疲れやすさ、むくみなどがみられます。

 

 

蚊がいなければ感染しませんが、

 ①1匹でも蚊にかまれれば感染する可能性があること

 ②一度かかってしまうと命に関わる怖い病気であること

 ③治療法はあるがリスクが高かったり治っても後遺症が残ったりすること

 ④予防は安全で簡単で安価であること

 

などの理由により、室外飼育かどうかに関わらず当院ではフィラリア予防は全頭にお勧めしています。

2.フィラリア症の感染経路

フィラリア症にかかった犬の体内には、ミクロフィラリアと呼ばれる小さな幼虫がたくさんいて犬の血液の中を泳いでいます。

 

蚊がその犬の血液を吸うと血と共にフィラリアの幼虫が蚊の中に入り、さらにその同じ蚊が別の犬の血を吸ってしまうとそのときに犬に感染してしまいます。

 

感染したフィラリアの幼虫は犬の体を成長しながら移動し、最終的に肺動脈に辿り着いて成虫となりミクロフィラリアを産むようになります。

3.フィラリア症の症状

フィラリア症にかかると肺動脈という心臓と肺をつなぐ血管が傷つくため、肺動脈の周りにある肺や心臓がダメージを受けてしまいます。

そのため、咳などの呼吸器症状、腹水などの心不全症状が主に認められます。

重症の場合は血尿や腎不全などに陥り、急死することもあります。

主な症状:

・咳

・疲れやすい

・食欲低下

・腹水

・むくみ

・血尿 など

4.フィラリア症の治療

治療は主に下記の3つの方法のいずれかになります。
 

①手術で虫体を取り出す


②注射で殺虫する


③予防薬の年中投与で徐々に虫を弱らせる


 

①の手術は最も効果的で確実な方法で、早く実施できれば後遺症もかなり防ぐことができます。
ただし、全身麻酔のリスクが伴うこと、器具や技術を持っている施設が限られることが問題です。
また手術に必要なフィラリア吊り出し専用の鉗子は製造中止となっており、現在手に入りません。

当院でもこの治療は残念ながら実施できません。

②の注射も早期にフィラリアを駆虫できるため後遺症を少なくできるメリットがあります。

ただし、駆虫が成功したとしても死んだ虫が血管に詰まったり炎症を起こすため、注意しないと逆に危ないことがあります。

大量の感染がある場合や安静にできない犬には向いていません。

また、この注射薬も日本では現在製造中止となってしまいました…。

③の予防薬年中投与が現在おそらく最もよく行われる治療です。

フィラリアの寿命は5-6年と言われていますが、予防薬を年中投与することでその寿命を2-3年ほどに短縮できると言われています。

フィラリアはゆっくり減っていくため、死虫による体への悪影響も少なく治療によるリスクは低いと考えられます。

しかし、その分長い間虫が肺動脈を障害するため後遺症が残りやすく、フィラリアは治ったけど心不全治療が必要、といケースも起こります。

5.フィラリア症の予防

フィラリア予防は蚊から体内に入ってきたフィラリア幼虫を月1回駆虫し、成虫になるのを予防するという方法で行います。

4月頃から蚊は活動していますが、予防開始は5月下旬と時期をずらして行うのはそのためです(※)。

万が一、前年度フィラリアに感染していた場合、予防薬を飲ませると体内にいる幼虫が死んで血管に詰まったり
炎症を起こすなどして犬が体調を崩す可能性があります。


そのため、毎年初回の投与前にフィラリアにかかっていないか検査をする必要があります。

飲み薬は飲ませたつもりで飲めていなかったりお腹を壊しているとうまく効かなかったりするかもしれません。

 

前年度毎月きちんと投薬がされた犬にも検査をするのはそれが理由です。

(※)正確にはフィラリアが感染するかどうかは蚊がいるかどうかだけではなく、そのときの気温によって決まります。

   平均気温がある一定以上の状態が続くとフィラリアが感染できるようになる、ということがわかっています。

   このときの気温の条件を“HDU”といいます。
   つまり、寒い時には蚊に刺されてもフィラリアにはかかりませんので冬場に蚊を見かけても予防は必要ありません。
  (HDUについて詳しく知りたい方は、「HDU、フィラリア」などと検索して調べてみてくださいね。)

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